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狐の嫁入り

第3章 星降る夜に

「寝た、わね・・・。」

家へ帰った後、夕餉を食べた雪乃は眠った。

そのあどけない寝顔を見て、彼女は顔をほころばせた。

「一緒に、星を見ないか。」

「・・・ッ!?」

月子は思わず、びく、と身体を跳ねさせた。

「すまない・・・驚かせたな。」

振り返ると、申し訳なさそうに微笑むギンが居た。

「ギン・・・!!どうしてここが分かったの?」

さすがに“君の匂いを辿ってきた”とは言えず、

「君のことをもっと知りたくて・・・追いかけて来たんだ。」

と言った。

「わたしもよ、ギン。あなたともっと話がしたかったわ。」

月子は微笑んだ。

「雪乃ちゃんを起こさないように、庭に出ないか。」

「ええ・・・。」

月子は差し伸べられたギンの手を取り、庭へと下り立った。

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