Voice
第2章 2.再会
俺はその背中に駆け寄った。
「まさ…き…?」
そして声をかけた。
するとその人は顔をあげてこっちを見た。
目が合って、その人はにっこりわらった。
「翔…ちゃん…久しぶりだね」
落ち着いた声は大人になったんだと思った。
「雅紀っ…まさっ…」
「なんで泣くの?…翔ちゃん」
「会いたかった…この数年間…お前のことばっかり考えてた…」
そう言ったら、雅紀は静かに言った。
「意味わかんない…それなら…電話ぐらいしてくれてもよかったじゃん…」
「それは…」
「メールでも…してほしかった…会いに…きてほしかった…」
雅紀は泣き出した。
「ごめん…」
俺は謝ることしか出来ない。
どう考えても…
悪いのは俺だ。
自分に素直になれたなら…
こんな再会は待っていなかったはずた。
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える