ドラクエ短編集(クリアリ)
第2章 今だけは…
「…決めた」
少し俯いたアリーナ様がボソリと呟くように言う。
「あたし、みんなを捜す」
「……」
「……」
ブライ様も私も何も言えなかった。
手がかりもないのに、まるで雲をつかむようなことを…と思うものの、とにかく何か動いていなければこの現実に押し潰されてしまいそうになることも、痛いほどよくわかる。
「あたし、絶対にみんなを見つけてみせる…!」
地面をひたと見据えたまま、思わず浮かんでくる悪い予感を振り払うように強い決意を込めた言葉を紡ぐアリーナ様。
その痛々しいまでの姿に何と言葉をかけて良いのか悩んでいると、ブライ様がいつもの飄々とした調子で言った。
「もうしばらくはこの老体に鞭打ってお供するとしようかのう」
「ブライ…!」
ブライ様に向けられた、少し泣きそうな、驚いたような笑顔に少し胸がチクリとした。
そんな私の心になど気付くはずもないアリーナ様は、少し不安そうな目で私を見上げて言う。
「クリフトも、ついてきてくれる?」
少し俯いたアリーナ様がボソリと呟くように言う。
「あたし、みんなを捜す」
「……」
「……」
ブライ様も私も何も言えなかった。
手がかりもないのに、まるで雲をつかむようなことを…と思うものの、とにかく何か動いていなければこの現実に押し潰されてしまいそうになることも、痛いほどよくわかる。
「あたし、絶対にみんなを見つけてみせる…!」
地面をひたと見据えたまま、思わず浮かんでくる悪い予感を振り払うように強い決意を込めた言葉を紡ぐアリーナ様。
その痛々しいまでの姿に何と言葉をかけて良いのか悩んでいると、ブライ様がいつもの飄々とした調子で言った。
「もうしばらくはこの老体に鞭打ってお供するとしようかのう」
「ブライ…!」
ブライ様に向けられた、少し泣きそうな、驚いたような笑顔に少し胸がチクリとした。
そんな私の心になど気付くはずもないアリーナ様は、少し不安そうな目で私を見上げて言う。
「クリフトも、ついてきてくれる?」