ドラクエ短編集(クリアリ)
第2章 今だけは…
城下町サランの宿に部屋を取り、夕食も終えて明日からの旅に備えて荷物の点検をしていると、コンコン、とノックする音が聞こえた。
「はい?」
こんな遅くに誰だろう、とドアを開けると、そこには。
「…ちょっとだけ、いい?」
いつものチュニックより幾分裾の長いワンピースを着ただけの、ラフな格好のアリーナ様が立っていた。
「…どうぞ」
こんな夜中に何だろう、とか、こんな無防備な格好で男の部屋を訪ねるなんてどういうつもりなんだろう、とか色々なことがぐるぐると頭の中を駆けめぐったが、さも何でもないことのように彼女を部屋に招き入れる。
「ごめんね、こんな夜中にいきなり来たりして」
「いえ、かまいませんよ」
いつになくしおらしいアリーナ様に、自ずと鼓動が速くなる。
「明日からの、支度?」
私の荷物や机の上に並べられた薬草を見ながらアリーナ様が言った。
「ええ。戦いの経験を積んだとはいえ、まだ見ぬ魔物との戦いがあるといけないので準備は万全にしておこうと思いまして」
「…クリフトらしいね」
椅子に座った彼女はくすりと笑った。
「はい?」
こんな遅くに誰だろう、とドアを開けると、そこには。
「…ちょっとだけ、いい?」
いつものチュニックより幾分裾の長いワンピースを着ただけの、ラフな格好のアリーナ様が立っていた。
「…どうぞ」
こんな夜中に何だろう、とか、こんな無防備な格好で男の部屋を訪ねるなんてどういうつもりなんだろう、とか色々なことがぐるぐると頭の中を駆けめぐったが、さも何でもないことのように彼女を部屋に招き入れる。
「ごめんね、こんな夜中にいきなり来たりして」
「いえ、かまいませんよ」
いつになくしおらしいアリーナ様に、自ずと鼓動が速くなる。
「明日からの、支度?」
私の荷物や机の上に並べられた薬草を見ながらアリーナ様が言った。
「ええ。戦いの経験を積んだとはいえ、まだ見ぬ魔物との戦いがあるといけないので準備は万全にしておこうと思いまして」
「…クリフトらしいね」
椅子に座った彼女はくすりと笑った。