ドラクエ短編集(クリアリ)
第2章 今だけは…
部屋に来た理由を訊ねようか、それともこのまま他愛ないおしゃべりに付き合おうかと悩んでいると、アリーナ様がぽつりぽつりと話しだした。
「クリフトは…どう思う?」
「『どう思う』って…何をですか?」
城のみんながいなくなったことだろうとわかってはいたが、一応聞き直してみる。
「あの…お城のみんなのこと」
「そうですね……」
アリーナ様の不安を煽るようなことはしたくない。でも、みえすいた嘘をついても仕方ない。
正直な考えをお伝えすることにする。
「可能性としては、魔族の仕業だと考えるのが妥当ではないかと思います」
それはアリーナ様も感じていたのか、表情は穏やかなままだ。
「戦いの形跡がないことからすると、何らかの魔法が使われたのではないかと思われます」
「魔法………どんな?」
「それは…すいません、私は魔法にはそれほど詳しくはないので…」
「そっか…」
「ただ、私たちが今いる空間とは別の空間を作り出す魔法がある、ということは聞いたことがあります」
「どういうこと?」
「説明するのは難しいのですが……」
「う〜ん…わかったような、わからないような…」
アリーナ様は眉間に皺を寄せた。
「すいません、うまく説明できず…」
「いいの、何となくわかったから。とにかく、あたし達が行くことのできない別の世界があって、そこにお父様やお城のみんなが閉じ込められてるのかもしれないのよね」
自分に言い聞かせるようにアリーナ様は言った。
「クリフトは…どう思う?」
「『どう思う』って…何をですか?」
城のみんながいなくなったことだろうとわかってはいたが、一応聞き直してみる。
「あの…お城のみんなのこと」
「そうですね……」
アリーナ様の不安を煽るようなことはしたくない。でも、みえすいた嘘をついても仕方ない。
正直な考えをお伝えすることにする。
「可能性としては、魔族の仕業だと考えるのが妥当ではないかと思います」
それはアリーナ様も感じていたのか、表情は穏やかなままだ。
「戦いの形跡がないことからすると、何らかの魔法が使われたのではないかと思われます」
「魔法………どんな?」
「それは…すいません、私は魔法にはそれほど詳しくはないので…」
「そっか…」
「ただ、私たちが今いる空間とは別の空間を作り出す魔法がある、ということは聞いたことがあります」
「どういうこと?」
「説明するのは難しいのですが……」
「う〜ん…わかったような、わからないような…」
アリーナ様は眉間に皺を寄せた。
「すいません、うまく説明できず…」
「いいの、何となくわかったから。とにかく、あたし達が行くことのできない別の世界があって、そこにお父様やお城のみんなが閉じ込められてるのかもしれないのよね」
自分に言い聞かせるようにアリーナ様は言った。