ドラクエ短編集(クリアリ)
第2章 今だけは…
「クリフトって、すごいのね」
「はい?」
「色んなこと、知ってるし、クリフトに説明してもらったら何だかもやもやしてたものがすっきりしてきたの」
「そうですか。お役に立てれば何よりです」
そう言って笑顔をつくりながら、ただアリーナ様を不安にしたくなくて、とにかく自分の知っていることを繋げてそれらしくつじつまを合わせただけの自分がとても恥ずかしく思えた。
「ねえ、クリフト……」
不安そうな、儚げな表情でアリーナ様に見つめられ、ドキリと胸が高鳴った。
「今だけ、甘えていい…?」
「!」
こんなに弱気な言葉を口にするアリーナ様は今まで見たことがない。
すがるような目で見つめるその姿は、ダンスをするように軽やかに魔物を倒していくいつものアリーナ様とは全くの別人のよう。
「………」
無言で見つめる菫色の瞳。
私の心はもちろんイエスと言っているけれど、まるで別人のようなアリーナ様の愛らしさに、不謹慎だとは思いつつも邪な衝動も沸き上がる。
「ええ…もちろんです」
不埒な葛藤を無理矢理胸の奥に押し込めて、私はできるだけ穏やかにほほえんでみる。
「はい?」
「色んなこと、知ってるし、クリフトに説明してもらったら何だかもやもやしてたものがすっきりしてきたの」
「そうですか。お役に立てれば何よりです」
そう言って笑顔をつくりながら、ただアリーナ様を不安にしたくなくて、とにかく自分の知っていることを繋げてそれらしくつじつまを合わせただけの自分がとても恥ずかしく思えた。
「ねえ、クリフト……」
不安そうな、儚げな表情でアリーナ様に見つめられ、ドキリと胸が高鳴った。
「今だけ、甘えていい…?」
「!」
こんなに弱気な言葉を口にするアリーナ様は今まで見たことがない。
すがるような目で見つめるその姿は、ダンスをするように軽やかに魔物を倒していくいつものアリーナ様とは全くの別人のよう。
「………」
無言で見つめる菫色の瞳。
私の心はもちろんイエスと言っているけれど、まるで別人のようなアリーナ様の愛らしさに、不謹慎だとは思いつつも邪な衝動も沸き上がる。
「ええ…もちろんです」
不埒な葛藤を無理矢理胸の奥に押し込めて、私はできるだけ穏やかにほほえんでみる。