ドラクエ短編集(クリアリ)
第3章 大切な人※エロ注意!
「オレの採ってきたキノコのソテーもうまいから喰ってみてくれよ」
ロッソが言って、小皿にキノコのソテーを取り分けてくれた。
「あ…どうも…」
「ロッソはキノコ採りの名人なんだぜ」
「そうそう。それだけが取り柄なんだよな〜」
「それ『だけ』って言うな!」
男たちの軽口に、アリーナはつい調査に来ていることを忘れてしまいそうになる。
だから気付かなかった。
男たちと話しているアリーナのグラスに、マスターが何かの粉をそっと入れたことを。
そのグラスを口に運ぶアリーナを、皆が固唾をのんで見守っていたことを。
こくり。
話を聞きながら、アリーナがグラスを口に運ぶ。
「…?」
アリーナは微かな違和感を感じた。
「どうかしたかい?」
ロッソが訊ねた。
「ううん…何か…」
「もしかして、1杯で酔っちまったのかい?」
「そういうわけじゃ…」
アリーナも宴の席で葡萄酒などを口にすることがある。だからこれくらいで酔うなど考えられないことだった。
「それならオレからも自慢のキノコに合う1杯をプレゼントさせてくれねぇか?」
体が大きい割には少年のように無邪気な笑顔を見せるロッソの申し出を、アリーナは断るわけがなかった。
それが、どんな罠かも知らずに。
ロッソが言って、小皿にキノコのソテーを取り分けてくれた。
「あ…どうも…」
「ロッソはキノコ採りの名人なんだぜ」
「そうそう。それだけが取り柄なんだよな〜」
「それ『だけ』って言うな!」
男たちの軽口に、アリーナはつい調査に来ていることを忘れてしまいそうになる。
だから気付かなかった。
男たちと話しているアリーナのグラスに、マスターが何かの粉をそっと入れたことを。
そのグラスを口に運ぶアリーナを、皆が固唾をのんで見守っていたことを。
こくり。
話を聞きながら、アリーナがグラスを口に運ぶ。
「…?」
アリーナは微かな違和感を感じた。
「どうかしたかい?」
ロッソが訊ねた。
「ううん…何か…」
「もしかして、1杯で酔っちまったのかい?」
「そういうわけじゃ…」
アリーナも宴の席で葡萄酒などを口にすることがある。だからこれくらいで酔うなど考えられないことだった。
「それならオレからも自慢のキノコに合う1杯をプレゼントさせてくれねぇか?」
体が大きい割には少年のように無邪気な笑顔を見せるロッソの申し出を、アリーナは断るわけがなかった。
それが、どんな罠かも知らずに。