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ドラクエ短編集(クリアリ)

第1章 クリフト的運動不足解消法

「お茶でも飲んで、少しのんびりしませんか?」

慣れた様子でカップに角砂糖を2つ落とすと、スプーンで手早くかき混ぜる。

どうぞ、とさりげない仕草で渡されたカップをアリーナはいつものように受け取る。

「のんびりするのにはもう飽きたの!たまにはめいっぱい体を動かしたいのよぅ」

少しむくれたままのアリーナはカップを口へ運んだ。ふわり、と甘い香りが鼻をくすぐる。

「あっ、いい香り」

「気付きましたか」

クリフトは海の底のように深い碧い瞳を細めた。その色は、優しげな中にも何か底知れぬ物を秘めているようで、アリーナは時々怖くなる。

今の笑い方は、きっと、何か、隠してる。

アリーナは直感的にそう思った。

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