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「何、入れたの？」

アリーナの問いに、クリフトは無言で柔らかな笑みを浮かべる。

…この顔は。

アリーナは確信した。
クリフトがこういう笑顔のときは大抵何かを企んでいるときだ。今回も何かよくない物を入れたに違いない。

「…嫌な予感がするんだけど」

じろりと睨むアリーナに、相変わらずの柔らかい微笑みのままクリフトは言う。

「『嫌な予感』だなんて滅相もない。アリーナ様のために特別に調合したエッセンスをほんの少し入れさせていただいただけですよ」

クリフトはつかつかと歩み寄ると、軽く身を屈めてアリーナの耳元へ熱い吐息を吹き掛けながら囁いた。

「『媚薬』というエッセンスをね…」