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ドラクエ短編集(クリアリ)

第3章 大切な人※エロ注意!

「いいの…それより…」

アリーナはゆっくり立ち上がった。痺れ薬のせいか、まだ足元がふらつく。慌ててクリフトが支えた。

「ありがとう…」

アリーナはそのままクリフトの胸に寄りかかるように体重をあずける。

「お願い…ぎゅってして…」

「…え?」

「もぅ!二度も言わせないでよ…あたしを、ぎゅってして…」

「!!」

アリーナの言葉をようやく理解したクリフトは、緊張でやや掠れた声で「失礼します…」と囁くように言うと、アリーナの体にそっと腕を回した。

クリフトの腕にすっぽり収まるアリーナ。普段は自信に溢れて活発なアリーナの、思わぬ儚さにクリフトの鼓動はうるさいくらいに早くなる。

「さっき……」

アリーナがぽつりと言う。

「あたしのこと、『大切な人』って言ってくれて、嬉しかった…」

どくん、とクリフトの心臓が跳ねる。

「でも…よく考えたら、あたしはクリフトの主君なんだものね…『大切』で当然なのよね…」

「勘違い、しちゃいそうだった…」とアリーナはため息をつくように、小さく吐き出した。

(そんなこと言われたら…私は……!)

アリーナの体に回されたクリフトの腕に、ぎゅっと力が込められた。

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