テキストサイズ

雪の日の空に

第2章 変化

頼まれた資料を渡しすぐに部屋を出てエレベーターへ向かった。

同じ会社の筈なのに、他の課は雰囲気が違って居心地が悪い。

上がってくるエレベーターを待ちながら、そんな事を考えていると、到着を知らせるベルが鳴り扉が開く。

4階のボタンを押し、閉めるボタンを押すと同時に誰かが、勢いよく閉まりかけの扉をこじ開けた。


「すみません、乗ります。」

あまりにも急だったので驚いて顔をあげた。

「あ、何階でしょうか。」

「1階、お願いします。」

ボタンを押し、下がっていくエレベーターの中で、きっとこの人が噂の彼だと思った。

栗色の髪に長身、整った顔。

それくらいしか分からなかったけど、女子社員が浮き足立つだけはある。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ