テキストサイズ

雪の日の空に

第8章 愛した人は…

それからはなんだかあっとい間だった。

気づいたら、佐月さんのことを知りたいと

近づきたいとそう思った。

実際、肉体的には近づいた

でも心は近づくどころか遠く感じる

求められているのは私ではないと身体で感じた。

佐月さんの寂しさの裏を、塩沢さんは知っている。

今日はそれを聞くためにここに来たんだ。

「あのっ、教えてください。佐月さんの事…。」

塩沢さんの方を見ると、少し気まづそうにして視線を落とした。

「知ってもいい事ないよ。」

息を飲む。

そんな事ない

佐月さんに想われる事が無いとしても、真実を知った上で私が佐月さんを支えられたらそれでいい。

「構いません。教えてください。」

はぁ、と溜息をついてから塩沢さんは口を開いた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ