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雪の日の空に

第8章 愛した人は…

「佐月さん…、その人の事もまだ思い続けていると言うことですよね。」

自分の子供を身籠っていた女性。

そんな相手を忘れられるはずがない

「今の佐月の心境は、俺には分からない。ただ、佐月は一生それを背負って生きていくつもりなんだと思う。」

佐月さん…。

背負うものが私のいままでの人生の中では想像も出来ないもので

代わりでも構わないと思っていた筈の気持ちが

とても重く感じた。

「その子は…、どうして亡くなってしまったんですか?」

恐る恐る尋ねる。

「それがあいつをずっと苦しめている原因なのかも知れないんだが…。」

ゴクリと生唾を飲み込む

その次の言葉に、耳を静かにかたむけた。

「その頃、佐月は美容師になる勉強に力を入れていて、あまり彼女と会って居なかったんだ。そんな時彼女が階段から足を滑らせて…。
佐月は知らなかったんだ。子供が出来ていた事もその後に言われたんだ。」

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