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私の予定を聞く前に美咲が誰かと電話で話していたのを思いだした。

その時に約束をこじ付けたか。

「お疲れ様ですぅ。あの、初めまして。高橋 美咲です。」

猫なで声で挨拶する美咲に若干の違和感を感じる。

いつもの話し口調だって充分可愛いのに、今はその何倍も可愛く見せようとする美咲の姿は私にはハンターにしか見えない。

私は初めて彼女の狩りを目の当たりにしたのだ。

「初めまして、塩沢です。」

にこりと微笑むその顔に、美咲の頬が桃色に染まったのがわかった。

2人の挨拶が終わったところで、3人の視線がわたしに注がれたのに気付き、あわてて挨拶をした。

「あ、初めまして。永橋です。」

こういった場が苦手な私は、なかなか空気が掴めない。

「永橋さんは、初めましてじゃないよね。」

塩沢さんは、美咲に見せたのと同じ笑顔で私にも笑いかけた。