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雪の日の空に

第2章 変化

テーブルに置かれた下田さんの携帯が鳴り、彼が席を立ったのを見計らって私もトイレに立った。

もちろん美咲に頼まれてのことだ。

でも、あの場から離れられて少しホッとする自分がいた。

しばらくここに居よう、私があそこに居ても浮くだけだ。

鏡を見ながら手入れのしていない長い髪を上からなぞり、少し思い出していた。

塩沢さんの顔、なんだか見覚えがある様な気がする。

あの時は一瞬で分からなかったけど、改めて近くで見た彼は、私の知っている誰かに似ている。

でも、私にあんなイケメンの知り合いは居ないはずだし、芸能人の誰かだろうか。

考えても分からない、お酒を飲んだせいで少し思考も定まらないのだろう。

悶々としていると、美咲からメールで戻る様に連絡が来た。

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