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雪の日の空に

第3章 似た顔

前日の出来事に巻き込まれた私は、美咲に真相を聞くため問い詰めていた。

下田さんの受け持っている営業先がなかなかうるさい所らしく、塩沢さんが一緒に営業周りをしていると聞いた美咲は、下田さんが自分に好意を寄せていると知りながら、塩沢さんを連れてくると言う条件で一緒に食事をしたらしい。

下田さんも、美咲と2人きりになりたくて、塩沢さんにお願いしていたらしく、気を利かせた塩沢さんが帰りに2人きりにしたのだと言う。

だから、塩沢さんと帰りが一緒になったのだと納得した。

「あの後下田さんに付き合ってくれって言われて、ほんと散々だったんだよ?」

それぞれ好意を抱いている人とはうまくいかず、それでももがいて気持ちを伝える。

こんな無駄な事は無いのに、どうして一生懸命になれるのか不思議だ。

「いいなぁ、ゆきは佑月さんに送ってもらったんでしょう?何かあった?」

無かった。

ただ無言で歩いただけだ。

塩沢さんとの間には何もない、ただ、あの人に似ているというだけでなぜか気になってしょうない。

「私が男の人と何かあると思う?」

そう言って美咲を見ると、「だよねー。」
と言って笑っていた。

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