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雪の日の空に

第3章 似た顔

あれからしばらく、あの橋で彼に会うことはなかった。

もう会うことは出来ないのだろうか。

それなら1度だけでも話しかけてみればよかった。

って、普通に男性と話す事だって苦手なのに、そんなこと出来るわけがない。

「永橋さん?」

振り向くとそこには塩沢さんが立っていた。

会釈すると、にこりと微笑んで私の隣に並ぶ。

帰る方向が同じだと、こうやって会うのか。

あの人と似た顔。

違うのは髪の色とあの人が見せる悲しそうな瞳。

「あの…。」

知り合いにゆきという人はいますか?

何て、聞いたら変だと思われるだろうな。

「ん?」

塩沢さんは次の言葉を待っている。

「えっと…、お付き合いされている方っているんですか?」

当たり障りのない会話をと思って切り出した言葉がこれとか、私は何を口走っているのだろう。

「いやっ、えっと、別に私が塩沢さんの事どうこうとかじゃなくてですね!」

そ、そうこれは美咲のため!

思考が混乱してぐちゃぐちゃだ。

「ふっ…、あはははっ。」

塩沢さんは腹を抱えて笑っていた。

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