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雪の日の空に

第3章 似た顔

橋の上の彼。

また夜空を見上げている儚げな瞳。

つい足を止めて魅入ってしまった私に気付いて、彼はいつものようにこちらを振り向いた。

うわぁ、目があった、どうしよう。

おどおどとする私の様子を不思議そうに見ていた彼は、ゆっくりとこちらに向かってくる。

恐る恐る顔を上げると、見れば見るほど塩沢さんに似ている。

「もうすぐ、雨が降る。」

「え?」

唐突に言われ、緊張と謎に包まれる。

次にどんな言葉を言えば正解なのか考えているうちに、彼はどこかに歩いて行ってしまった。

たった一言。

ただそれだけなのに、不思議と心が満たされる様な気持ちになった。

ふわふわした気持ちのままその場に立ち尽くし、その場を動くことが出来ない。

いや、出来ないと言うより、もう少しこの余韻に浸っていたいと言う方が近いかも。

しばらくすると、彼の言った通り、大粒の雨が私を襲った。

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