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雪の日の空に

第3章 似た顔

なにこれ、酷い。

思い切り走りながら、雨宿り出来そうな場所を探す。

ドスンッ!

そのとき、ヒールの先が、コンクリートの隙間に挟まり、思い切り転んでしまった。

「いったーい。もう、最悪。」

見事に汚れた服が、転んだ時の勢いを、物語っている。

「永橋さん!大丈夫?」

し、塩沢さんだ…。

腕を支えられよろよろと立ち上がる。

「すみません…。」

こんな最悪なタイミングで、塩沢さんに出くわすなんて、本当についてない。

私が濡れないように、傘をさしてくれている。

「とりあえず、家に連れて行くけどいいよな?」

さらりと当然のように出た言葉に驚く。

「いえ、悪いです!このまま帰れますから!」

その一言に険しい顔をして、私の膝に目を移した。

「その格好じゃ、電車乗れないだろ。それに、足から血が出てる。」

確かにこんなにビッショリ濡れて、汚れた格好で電車に乗るのは気がひける。

塩沢さんは有無を言わせない態度で私を支えるように家まで案内してくれた。

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