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雪の日の空に

第3章 似た顔

あまりにも心地よくて、意識を手放しかけた。

その瞬間、ドライヤーの音が止まり、ハッとして顔をあげた。

虚ろになった目を開けると、目の前に佑月さんが立っていた。

帰ってきてたんだ。

音で気づかなかった。

「佐月、来てたのか。」

「うん、雨宿り?」

それは兄弟の会話で、2人が双子だということを一層現実的にさせた。

「ほら見てゆづ。ゆき、可愛くなったよ。」

名前で呼ばれどきりと胸がなる。

乾かしながらブローもしてくれていたみたいで、毛先が内巻きになっていた。

「佐月さん、ありがとうございました。」

にっこりと笑った佐月さんの手が私の髪を手櫛でとかす。

塩沢さんは不思議そうに私達の事を見つめている。

そりゃそうだ。

出掛けた数10分の間に兄弟が自宅で女の髪を乾かす光景を目の当たりにしたら誰だって驚くに決まっている。



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