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雪の日の空に

第3章 似た顔

塩沢さんは呆れたようにため息をついた。

「佐月、来るときは連絡しろって言っただろ。」

佐月さんは笑顔のまま、はいはい。と気の無い返事をして、窓から外を見た。

雨はすでに上がっていて、雨宿りの為だけに ここに来た佐月さんは、帰る準備を始めていた。

「じゃあ、またね。ゆき」

耳元で囁かれて心臓が跳ねた。

「はい…。」

またねってことは、また会えるのだろうか。

そんな事を思いながら佐月さんの背中を目で追った。

佐月さんの出て行った後の部屋は、やけに静かで何だか居づらい。

「永橋さんは、佐月の前だと素直なんだな。」

そんな事はないと思う。

素直と言うより、なんだか逆らえない雰囲気があるというか。

「そんな事…。」

黙ったまま塩沢さんは私の前に座り込んだ。

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