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雪の日の空に

第3章 似た顔

「足、怪我したとこ見せて。」

「え…でも。」

私が迷っているとため息をもらした。

強引にスウェットから足を出される。

「し、塩沢さんっ!」

すぐ側にあった袋から消毒液と絆創膏を出し、手際良く治療を始めた。

「せっかく買ってきたんだから、大人しく治療させろ。」

出掛けたのは、これを買う為だったんだ。

「すみません。」

塩沢さんには迷惑をかけてばかりで、申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

「俺には謝ってばっかだな。」

「え…?」

フッと笑うと、私の髪に触れた。

「佐月ばっかりずるいよな。」

その瞳は私をみつめたままで触れた髪に小さくキスを落とした。

「塩沢さん…?」

熱くなる顔を見られないように俯く。

双子なのにこんなに性格が違うんだ。






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