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雪の日の空に

第4章 表と裏

当たり前だけど、更衣室には女子社員しかいない。

男性の目がないこの場所は、今の私には凄く居心地の悪い場所だ。

ガシャンッ。

力強くロッカーの閉まる音がして、そちらを見ると、ギロリと睨まれた。

無言の圧力とでも言うのだろうか。

学生の頃のような陰湿な嫌がらせはないけど、やっぱり傷つく。

この場所から、一刻も早く離れたいと、会社を出た。

今日は、佐月さんいるかな。

美容師だって言ってたから、あそこに居るのは休みの日だけなのかな?

昨日が休みだったとすれば、今日はいないよね。

何か考えていないと嫌な事ばかり思い出す。

何も知らない誰かと、他愛のない話でもしながら考えないようにしたくて、なぜか佐月さんの事を思い浮かべていた。

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