テキストサイズ

雪の日の空に

第4章 表と裏

入社して、しばらく1人でいる私に最初に話しかけてくれたのは美咲だった。

ハイスペックな男に目がなくて、見た目が可愛いから尚更周りの女子社員に疎まれていた。

孤立した彼女と一緒にいたのは、彼女が本当はいい子だって分かってたから。

分かっていたはずなのに、私はそんな美咲も、ちゃんと信じていなかったんだ。

「ねぇ、ゆき。嫌がらせとかされてない?平気?」

美咲の優しさに、涙が溢れた。

「うん。平気、美咲が居れば平気。」

私は美咲に今までの事を全て話した。

「じゃあ、塩沢さんとの事は全部誤解?」

「うん。」

美咲は大きなため息をついた。

「てっきり私に遠慮して、言ってくれなかったんだと思ったよ。なんか1人で盛り上がっちゃってごめんね。」

「ううん。いいの。なんか今凄い嬉しいから。」

確かに大部分美咲の勘違いだったけど、

でも、私の事を友達と言ってくれた美咲。

今凄く心が満たされている。

「ねぇ美咲。私ずっと恋愛とか興味ないって言ってたでしょ?外見も、美咲みたいに気にしたりしないし。」

美咲に向き直り、彼女の目を見る。

「うん、ゆきはそうゆうの冷めてるよね?」

美咲にだったら話してもいい。

私の…過去を。





ストーリーメニュー

TOPTOPへ