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雪の日の空に

第4章 表と裏

「お前ら何やってんだよ。」

制服のボタンが、外された所で先輩の声がして死にたくなるほど恥ずかしくなった。

先輩は、優しく私を抱きしめてくれたけど

あんな姿を見られた私は

しばらくして自分から別れを告げた。

卒業するまではひとりぼっち。

友達なんて呼べる人間はいなくなった。

それからは、恋もオシャレも私には要らないものになったんだ。







「ごめん、いきなりこんな話。引いたよね。」

両手がふわりと暖かくなる。

美咲が私の手をにぎっていた。

「辛かったね。今は私がいるよ?だから大丈夫。恋もおしゃれもまた今から始めよう?」

にっこりと微笑む美咲に、私はまた、救われた。


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