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雪の日の空に

第5章 再スタート

この前も思ったけど、佐月さんに髪を触られていると、凄く落ち着く。

だんだん眠気が襲って来て、静かに瞳を閉じた。




「ゆき、終わったよ?」
肩を叩かれ、耳元で佐月さんの優しい声が聞こえて、パッと目を開ける。

「すみません、私っ!あんまり気持ちよかったから…。」

「あはは、こんな爆睡した子見たの初めてだよ。こんな感じだけど、大丈夫かな?」


合わせ鏡で後ろを見せられる。

「はい。凄く気に入りました。」

手入れしていないロングヘアが、肩につくぐらいのミディアムになっていて、頭が軽い。

あの時と同じ。

内巻きにされた髪。

「完全に俺の好みにしちゃった。」

優しく笑った目が鏡越しに合い、顔が熱くなる。

そんな言葉呟かれたら…

勘違いしてしまいそうになる。

会計を終えて、佐月さんにお礼を言う。

「良かったらまた指名してね。はいこれ。」

名刺を手渡され、もう一度お辞儀をすると、店を出た。

貰った名刺には、店の電話番号、それに手書きで携帯の番号と、”電話して”と文字が書いてあった。

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