テキストサイズ

雪の日の空に

第5章 再スタート

もう逃げ場はない。

誰もいないと言っても会社でこんな…。

信じられない。

「はぁっ。」

息継ぎのタイミングで、舌が入り込んでくる。

ちょっと…!?

頭がクラクラする。

身体が熱い。

自分が自分じゃ無くなる様な感覚にギュッと目をつむった。

塩沢さんの手が移動するのが伝わり、ピクリと身体が跳ねた。

その手は私の腰の辺りで止まり、唇を支配していた熱が急に無くなると、今度は首へとその熱が移動する。

「んっ…、いやっ…」

熱い。

腰から撫でる様に上がってくる手に、ゾクッとする。

ブラウスのボタンをひとつずつ外され、肌を這うように唇が触れた。

背中に回された手が素肌に触れ、その冷たさがさらにゾクゾクする。

「あっ…、しお、ざわさ…んっ」

身体が勝手に反る。

ヤバい。

溺れそう…。

そう思った瞬間、塩沢さんの体がすっと離れていき、前の開いたブラウスのボタンを丁寧に締めていった。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ