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雪の日の空に

第6章 恋心

どこへ行けばいいのか分からないので仕方なく駅に向かって歩く

とりあえずそちらへ向かえば佐月さんの美容院もある

「ゆき!やっと来た。」

いつも見かけていたあの場所。

橋に体を預けて佐月さんが待っている

迎えに行くと言われたはずなのに

やっと来ただなんて、本当によく分からない人だ

もし私がここに来なかったらどうする気だったのだろう

ふんわりとした笑顔

塩沢さんと同じ顔なのに中身は全く似ていない

「じゃ、行こうか。」

「あの…。」

両手をポケットにいれていたはずの佐月さんは、右手だけを私の方に向けて差し出している

これをどう解釈すればいいのか悩んでいると、痺れを切らしたように私の左手を握った。

「え!?さ、佐月さん!」

「嫌?」

優しく笑う彼に嫌なんて言えなくて首を横に振ると、嬉しそうに笑った。

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