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雪の日の空に

第6章 恋心

「美味しそう!」

目の前に置かれたパスタを見て思わず声をあげる。

昼をまともに取っていないから、見ただけでさっきよりもお腹がいっきに空いてきた。

「ハハッ、食べよっか。」

「はい、いただいます!」

呼び捨てを諦めたのかそれ以降何も言わなくなった佐月さんは、フォークにパスタを絡めて口に運んで行った。

それを見て私もパスタを頬張る。

「んー、おいしー!」

今まで食べたどのお店のパスタより美味しくて、ほっぺたが落ちそう。

「そんなに喜んでくれたら、連れてきた甲斐があったよ」

佐月さんは嬉しそうに微笑んで私の食べる姿を見ている

食べている姿を見られていると、少し恥ずかしい。

それに今佐月さんに話しかけられるまで、食欲に忠実なほど無防備に食べていたから尚更。




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