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雪の日の空に

第6章 恋心

「なんか、ゆき元気ないよ、なんかあった?」

出会って間もない佐月さんに見抜かれてしまう程元気がなかっただろうか

「仕事が忙しくて、少し疲れが溜まっているのかもしれないです。」

まさか塩沢さん関係の事を佐月さんに話せる訳ない。

仕事が忙しいのは事実だし

嘘はついていない

「そっか、俺はてっきりゆづの事かと思ったのに。」

「えっ!?なんでそれを?」

思わず口に出してハッとした

言わなければ分からない事なのに、そんな事言ったら塩沢さんの事で悩んでるなんて簡単にわかってしまう

「やっぱりね。」

フッとため息交じりの笑いを漏らし、続けた

「昔からなんだ。ゆづの気に入った女の子は、必ず他の子に色々されてね、一直線にその子に行くのは良いんだけど、自分がモテるのを自覚していないんだ。」

昔から…。

前にもそういった事があったのだろうか。

「気に入った子と他の子との扱いがまるで違うから、女の子達からしたら気に食わないんだろうね。」

佐月さんはなぜか少し寂しそうにそう話してくれた

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