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雪の日の空に

第6章 恋心

首にあった手は、体の線をなぞるようにさがり腰で止まる

首元に埋めていた顔を起こし、唇に付くか付かないかギリギリの所で止まり、私の瞳は佐月さんに捕らえられた

佐月と呼べば、この先へ進むことは無いのだろう

ドキドキとうるさく鳴る心臓

それと戦う様に意を決して口を開いた

「さつ…っん」

最後まで言わないうちに温かい物が唇に触れた

軽く触れるだけのキス

そっと離れた佐月さんと目が合い一気に顔が熱くなる

「早く言わないと、ね?」

微笑むその顔が悪意に満ちている様に見えるのはなぜだろう

今のは絶対言わせないようにした

「反則です…。」

少しでも離れないとこのドキドキが聞こえてしまうのでは無いかと、顔を背けた

佐月さんの視線は私に向いたままというのが視界に入れなくても分かる

離れる気配すらない

この状態から解放されるにはどうしたらいいのかなんて、恋愛スキルの無い私には皆無だ。







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