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雪の日の空に

第6章 恋心

ふわりと頬を優しく包み込まれ

その大きな手の平に、抵抗する術もなく前を向く

変わらず笑顔で見ている佐月さんだけど

その瞳の奥には、私ではない誰かを見ている気がしてならない

ギュっと締め付けられる胸の痛みと共に

漆黒の瞳の奥から悲しみが伝わってくる様な気がして

思わずそっと佐月さんの頬に触れた

佐月さんが悲しそうなんて私の思い違いかも知れない

ただ私が今この人に触れたいと思っただけかも知れない

自分が自分ではない何かに支配されそうな

そんな感情が…

好きという事なのだろうか。

「…すみません。」

頬に触れた手をそっと離し、その場でグッと握った

「謝るのは俺の方。」

「んっん…。」

その瞬間さっきまでの優しい佐月さんは嘘のように

求められるように、熱い舌が私の中に入りこむ

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