
月のない世界の中で
第1章 起因
滝がジャージの入ったカバンを持って行こうとした時ふと、カバンから異臭を放っている事に鼻が反応した。
それは徐々に、そして確実に臭っている。
気になった滝はカバンを開け、それを確かめた。
「…うっ!」
思わず鼻を塞いでしまいたくなる悪臭が辺りを包み込んだ。
滝のジャージに満遍なく掛けられたそれは不快感を通り越しやがて虚無的な考えにまで至ってしまう。
「これって、生ゴミ…なんでこんな事」
滝には、犯人の検討が付いていた。
恐らくは皆藤の仕業だろうと。
以前、滝は登校途中に皆藤率いる集団に校門前で酷い仕打ちをされたことがある。
滝は生まれつき視力が悪く、度のキツいメガネをしていた。
それを彼らは滝から取り上げ「1日裸眼で過ごしたら5000円やるよ」等とおちょくり挙句の果てにはそのメガネを粉々にして滝に返した。
そんなことも相まってか、自然と皆藤が犯人へと導かれて行ったのかもしれない。
「これじゃあ、授業に出れない。今日は保健室に行こう。」
それは徐々に、そして確実に臭っている。
気になった滝はカバンを開け、それを確かめた。
「…うっ!」
思わず鼻を塞いでしまいたくなる悪臭が辺りを包み込んだ。
滝のジャージに満遍なく掛けられたそれは不快感を通り越しやがて虚無的な考えにまで至ってしまう。
「これって、生ゴミ…なんでこんな事」
滝には、犯人の検討が付いていた。
恐らくは皆藤の仕業だろうと。
以前、滝は登校途中に皆藤率いる集団に校門前で酷い仕打ちをされたことがある。
滝は生まれつき視力が悪く、度のキツいメガネをしていた。
それを彼らは滝から取り上げ「1日裸眼で過ごしたら5000円やるよ」等とおちょくり挙句の果てにはそのメガネを粉々にして滝に返した。
そんなことも相まってか、自然と皆藤が犯人へと導かれて行ったのかもしれない。
「これじゃあ、授業に出れない。今日は保健室に行こう。」
