《番犬女》は俺のもの
第7章 誘拐
「……へぇ、苛つくと赤くなるのか」
「──…?」
「…可愛いよね」
ピシャッ──!!
窓がものすごい勢いで閉められた。
閉めた茜は窓越しの彼に背を向けると、腕を組んで眉間にシワを寄せる。
あぶない…
危うく篠田のネクタイを掴んでぶん殴りそうになった…
「……っ」
落ち着け──!
そんな彼女の背中に、零はふっと笑みを溢した。
「…危うく…鼻を削られるところだ」
怖いよなぁ、ホント。
────
「──あっ、篠田くん…」
「?」
「…掃除終わった? 」
「…どしたの」
零が振り向くと、そこには茜と同じ4組の女生徒が数人いた。