《番犬女》は俺のもの
第7章 誘拐
だが当然ながら立ち去っただけじゃない。
「あー、忘れもの」
…の訳がないか、わざと置いてったな?
バイクの男は立ち去る時に、置き土産を残したらしい。
どうしようか
確かめるべきかな
さわらぬ神に祟り無しなら無視するのもありかな
「………」
うわースッゴい面倒くさい…(汗)
零は校門の真ん中に転がされたその落とし物を遠巻きに見ながら、知らんぷりをとりあえず決め込んでいた。
“そういえば茜さんの帰りが遅いな”
もしあれが果たし状だったとして…
茜さんが拾ったとしたら…
想像するだけで地獄絵図。
零は彼女が帰ってくる前に拾っておくことに決め、そして校門に歩いた。