《番犬女》は俺のもの
第7章 誘拐
「…これは…?」
白い財布
「‥‥‥」
なになに あいつら
本気で俺に10万円返しに来ちゃったわけ!?
零はルンルン気分で財布の中身を確認した!
──が、中にお金は入っていない
「…なんだよそれ」
じゃあなんのための財布なんだ。
零はそれをポイっと捨てた。
「──…」
不自然な──
「……これ、女ものか」
彼はもう一度財布を拾って中身を見る。
札はない、小銭は少し…
店のポイントカードが数枚
そして──
ピラッ
中に挟まっていたメモ用紙
「───」
《女はあずかった、ひとりで来い、ただしこの事は……誰にも言うな》