《番犬女》は俺のもの
第7章 誘拐
「あいつ、これを見て……!!」
《ひとりで来い》
「……っ」
バカ野郎!!!
茜は零と同じようにホウキをその場に放り投げている。
「…ちょッ…お前! 」
「なんだ? よっヒイィィィ!!!…番犬…っ!!」
部活終わりの男子が数人、自転車をひきながら並んで歩いていた。
茜に怒鳴られて身をすくめる。
「…ハァ…ったく怯えるなよ!悪い!それを貸してくれ」
「──え?」
「それを!…っ…借りるぞ!」
茜は彼らのひとりから自転車を横取ると
返事をする前に目の前からいなくなってしまった。
「おい」
「──」
「お前の自転車…」
「盗られたぁ…」
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