《番犬女》は俺のもの
第8章 手段は選ばない
怒りがこみ上げてくる。
気にくわない相手をおびき寄せるために、関係ない女の子を巻き込んで…!!
今すぐにでも殴りかかりたい衝動を抑え
冷静に拳を握った──。
「電話に出ないんだよな…あっちの奴ら」
「何かあったってことだろ? そのうち男がここに来るんじゃねぇの?」
「…あー、女が向かってるとか言ってたなさっき」
「女?なんで女が来るんだ」
「知らねぇ」
キィ.....
「……っ!?」
「──…その女、私のことだろうな」
鋭い声で部屋に入ってきたのは
確かに黒髪の女だった。