《番犬女》は俺のもの
第8章 手段は選ばない
「私だけで我慢しろ」
馬鹿みたいにサカッたオス犬ども。
…最後の言葉は声に出さずにとどめる。
「何してるの茜ちゃん‥!? 駄目よっそんな…」
「大丈夫」
「……っ」
ブレザーを脱いで足元の梗子にかぶせた。
無理矢理シャツを引きちぎったので、数個のボタンがまわりに飛び散ってしまっていた。
彼女は残ったボタンをひとつづつ外していき…躊躇いなく脱ぎ捨てる。
「・・・・・ゴクッ」
男たちは圧倒された。
ブレザーとシャツを取り去った彼女は、黒のキャミソール姿で立っていた。
ついさっきまで苦しそうに咳き込んでいた彼女は消えていた。口を引き結び、いつも通りの無表情で男を冷たく見上げる。