《番犬女》は俺のもの
第9章 おしおきの時間
段ボールしかない冷たい部屋に…
残ったのは茜と零の二人だけ。
壁に寄りかかって座る彼の横に、茜も腰をおろした。
彼女は破れたシャツとブレザーを羽織り、とりあえず無事なボタンを数ヶ所止めていた。
「……」
隣に座ってみたもののかける言葉が見つからない。
「…明日には事情聴取があるらしいな」
「うん、そうだね」
「こちら側に非があるとはされない筈だが、停学処分ぐらいにはなるだろうな」
いちおう喧嘩したんだし
「…うん、そうだね」
「そうだね…って…!」
“ なんでこんなに…… ”
茜は無性にイライラする。