《番犬女》は俺のもの
第15章 オオカミさん
「こんなに可愛く誘惑されて手を出さないなんて逆に失礼だよね。let's 肉食系!」
「……っ」
「抵抗してくれていいよ。……っ、あ、やっぱり抵抗はダメ(汗)」
顔面めがけて茜の拳がやってきたので、それを防ぎながら零は慌てて言い直した。
茜は困惑した表情ではだけたシャツを見ていた。殴ろうとした拳にも、いつものような力はない。
「誘惑なんかしてないだろ…!?」
「──…してるさ」
すべてのボタンが外されて、零はブレザーごとシャツをゆっくり脱がせにかかる。
…肘まで服をずらされた。
いつぞやと同じように
零が首筋に吸い付いた。
「──…篠田!」
オオカミスイッチを押してしまった彼女はもう
この男から逃げられない──。