《番犬女》は俺のもの
第16章 新婚生活 開始!?
彼女はいつものように屋上に行き、零もあとに続いて階段を上る。
扉をあけて外に出ればそこには気持ちのよい秋の晴れ空が広がっていた。
...ドサッ
茜が座れば
もちろん彼も隣りに座る。
「どういうつもりだ」
「…?」
「他の生徒がいる前であんな堂々と…。怪しまれるだろう」
「──なんで?」
手さげ袋から弁当の包みと牛乳パックを取り出してどんと置き、問いただす茜。
しかし零はけろっと質問返しだ。
「何でって…っ この学校ではな、私に話しかける男なんて滅多にいないんだ。それを、ただでさえお前は目立つってのに…私に絡んでこられたら…っ」
「──…そうだね、質問を変えよう。俺が茜さんに絡んだら《何を》怪しまれるの?」
「…ッ!…なんだと?」
「茜さんは周りに隠し事をしてるの?何を?」
「……っ」
そうだバレるわけにはいかない。
私と篠田が…両想い…!!
「…《何を》隠すの。《何故》隠すの」
「それはっ、私とお前がただの同級生ではないと、もし知られたら…!!」
もしバレたら──
「……っ」
………あれ?