《番犬女》は俺のもの
第16章 新婚生活 開始!?
“ 何に困るんだ? ”
茜は自分で考えながらわからなくなってきた。
“ 私と篠田が人前で話したとして何か問題になるのか? ”
考えが上手く回らない。栄養不足か。
茜は弁当の蓋をあけてドレッシングもなしに生野菜を口に放り込んだ。
よく噛んで飲み込んでからいつもの鶏肉を。
「──…?」
モグモグモグ
「茜さんは隠したいんだね。俺は周りに知らしめたいけど」
「(モグモグ)...」
「…俺の女だから手を出すなってね」
「──ゴックン」
まだ半分ほど塊が残っていたのに勢いで呑み込んでしまった。
“ 俺の女……!? ”
これってつまりは何だ?
「…篠田。私はお前と付き合っているのか?」
「──…」
知り合いでも友人でも家族でもないのに、こうして昼を一緒に食べているのは…そういう関係なのだろうか。