《番犬女》は俺のもの
第16章 新婚生活 開始!?
「──…付き合っては、ないよ」
「そうなのか」
しかし零はそう言って彼女の言葉を否定した。
「付き合ってしまったら大変だよ?相手に嫌われないように、いつも不安に感じながら、ふられないようにビクビクしなくちゃ」
「…そう…いうものか」
「そんな余計な気持ち、いらない。俺はただ茜さんが好きなだけだもん。俺の愛をぶつけたいだけ…」
「…っ、その顔で笑うな」
(。-∀-) フッ フッ フッ フッ
ブラックに笑う零に怯える茜。
「──だから会いに来るし、付きまとうよ? 嫌われてもやめない」
「……、出頭しろよストーカー」
こいつが言うと本気臭いから嫌なんだ。
茜は彼から顔をそむけて食事を続ける。零は先ほどの丸いジャムパンの袋を破って食べ始めた。
彼の昼食はその一個だけ。
茜のものと比べると少なすぎるのが一目瞭然だ。