《番犬女》は俺のもの
第17章 ライバルな転校生
「楽しみー、このクラスに入るんだよね」
「しかもイギリス人なんて本当!?」
隣の机での会話が耳に入った。
“ そうか、今日から転校生が… ”
零につづいてこの時期に転入とは珍しいが、女子が盛り上がっているところを見るに、転校生はさらに珍客のようである。イギリスの男らしい。
転校生がどこ出身だろうが茜は興味ないけれど、零のことで手一杯ないま…騒ぎを持ち込む要因はわずかでも気に障る。
「しかもね!友達がさっき職員室の前で見かけたらしいんだけど、すっごいイケメンなんだって」
「イギリスの王子様~?」
「あははっ、王子様だったりして~」
転校生が現れるのが待ち遠しい彼女たちは、くしで髪を直しながら朝礼が始まるのを楽しみにしている。
狙うは玉の輿
皆はもはやそんな気分だ。