《番犬女》は俺のもの
第17章 ライバルな転校生
その転校生は──
朝礼のとき担任と共に現れた。
「朝に紹介した通り、彼は日本の高校で留学中だ。わからないこともあると思うから皆で助けてやってほしい」
「はーい」
なんでも彼は何年も前から日本の中学と高校に通っているらしい。
なので留学生とはいっても、すでに日本に慣れているのは一目瞭然だった。
「HEY、先生」
日本語も話せるようだ。
「ん?何だ?」
「俺から自己紹介、していい?」
敬語は苦手なのか教師にもタメ口だが発音も十分にきれいだ。
自己紹介をしたがるなんてさすが西洋人とでもいうべきだろうか。シャイな日本人とは積極性が違う。
教壇の前の転校生にクラスの注目が集まるなか…
本日の日直である茜は、ただ黙々と日誌を書き込んでいた。