《番犬女》は俺のもの
第17章 ライバルな転校生
「身なりを正して出直せ。なんだ?このネクタイは…スカーフのつもりか、きちんと結べよ」
「……っ」
「──私はお前と友人になる部類の人間ではない。相手は慎重に選んでくれ」
そう言ってハルクを突き返す。
言いすぎたように思ったが、彼と肌が合わないのは確かなのだから、友達になんてなれるわけがないんだ。
見守る生徒たちは、いつも通りの茜の応対にどこか安心したようにも見える。
しかし──
ハルクはそう簡単に引き下がらなかった。
「友達に、なれないの?」
「そうだ」
「それは悲しいよ…」
どうして彼が茜にこだわるのかわからない。友達がほしいなら他の生徒に話しかければいいのに。