《番犬女》は俺のもの
第17章 ライバルな転校生
「なーにしてるの?」
「…っ 篠田…!」
「茜サン。この人、誰?」
茜とハルクの攻防に
割って入ってきたのは零だった。
1組の彼が休憩時間にここに来るのも、いつの間にか日課になりつつあるので周りの生徒は不思議に思わなくなっている。
“ こんな時に…!! ”
「何か用かよ…っ」
「別に用はないけど?」
タイミングが悪いことをさっしてほしいのだが零はけろっとしていた。
普段通りのマイペースさで茜に話しかけてくる。
「誰なのこの男」
「転校生だ…っ、4組のな」
「──で、何を話してたのかな」
「お前に関係ないだろう」
「冷たいなー、茜さん」
「──…」
二人のやり取りを眺めていたハルクは
「…ふ」
意外といった感じに小さく笑っていた。