《番犬女》は俺のもの
第19章 警戒
「…じゃあさ…俺の方がずっと茜さんに似合ってるよね?」
「──は? 」
「茜さんに釣り合うのは、俺だけだもんね」
「…っ(どこの小学生だよ)」
零が再び茜に迫り始めた。
…って ちょっと待て待て!
なんか体重かけてきたぞこの野郎ー!
抱き締められたまま徐々に茜の身体が後ろに反っていく。
「…っ…こける」
「支えてるから」
角度 30°
片足が床から離れる。
角度 45°
いよいよバランスをとれなくなり、茜は完全に彼に身体を預けることに。
その角度 80°
背がつく直前でピタリ止められた。
ゆっくりと押し倒した零は、片手を廊下の床について茜を支えながら見下ろした。
「俺のネコちゃん…いじめたくなってきた」
結局そうなるのか
「…ちょっ、正気に戻れ!」
「俺はいつでも正気、本気」
「そうかもしれないが…!!」
説得を諦め
奥歯を食い縛る茜。
───
ゴチーーン!!!!
「‥‥ッ」
ひさびさに、きました
必殺の石頭。