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《番犬女》は俺のもの

第19章 警戒


2年の廊下をなに食わぬ顔で歩くハルク。その行き先は階段。

トイレへ向かう他生徒たちとは逆の方向。

鞄を持ってコートを羽織ったハルクは明らかに帰る気まんまんといった様子で

「あら…さようなら」

すれ違った女教師も取り敢えずそう声をかけていた。


悪びれもせず階段を下るハルクを、皆が背中越しに見おくる中──


零だけは別の行動をとっていた。


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